善管注意義務違反

民法第644条
受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。

 

これは、「善管注意義務違反」である。

 

業務を委任された者が、その分野の専門家として一般に期待される注意義務

ということだが、一体、善良な管理者とは、誰なのか?

 

パターン①

私が、「ある人」に業務を委任したら、善良なる管理者は「ある人」

(これはわかりやすい。)

 

パターン② 

私が、「ある会社(Z社)」に、1ヵ月10人必要な作業を委任したら、善良なる管理者はZ社なのか? それとも現場の管理者なのか? それともメンバー全員なのか?

 

民法第644条では、「受任者は、委任の本旨に従い」と記載があり、②のケースの場合、受任者=Z社となるので、Z社=管理者となると思う。

 

受任者でZ社が、社員であるAさんに委任された作業の責任者を命じたとする。その場合は、Aさん≒Z社となるため、Aさんには、善管注意義務違反を問える気がする。

今回は、1ヵ月10人かかる作業なので、Aさんは10人のメンバーを集めて、その作業をしたとする。

 

Aさんは、1さん、2さん、3さん・・・9さんを集めた。

①1さん~3さんは、バイトとして集めた。

②4さん~6さんは、派遣会社に頼んでを集めた。

③7さん~9さんは、Aさんの所属している会社から集めた。

 

上記とした場合、

Aさん(≒Z社)とメンバーは、それぞれの契約があるため、発注元からメンバーに、善管注意義務違反を問うことはできない。

 

契約・命令の流れとしては以下となる。

 

私 ⇒発注⇒ Z社 ⇒命令⇒ Aさん(=現場責任者) ⇒ 命令 ⇒ メンバー

 

結論としては、善良なる管理者とは、Z社≒Aさんである。

 

 

 

情報システム・モデル取引・契約書より抜粋です。参考。

 

「善良なる管理者の注意義務を果たした」かどうかは、情報処理技術に関する業界で一般的に要求される専門知識・ノウハウにもとづく注意義務を果たしたかどうかによって決定されるとした。すなわち、ここでの注意義務とは、自らの能力に応じた注意義務の程度という主観的な意味ではなく、業界において一般的・客観的に要求される注意義務を意味し、このような注意義務を欠くときは過失が認められることとした。

 

「情報システム・モデル取引・契約書」第二版

情報システム・モデル取引・契約書(パッケージ、SaaS/ASP活用、保守・運用)

https://www.ipa.go.jp/ikc/reports/20201222.html