量子コンピュータの誤解

量子コンピュータは、幻滅期にさしかかっている。

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ガートナー ジャパン株式会社 が発表した「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」

https://www.gartner.co.jp/ja/newsroom/press-releases/pr-20200910

 

 

量子コンピュータと聞くと、

・自然界に量子という物質があり、

・それを使うとすごいコンピュータができる

というイメージしてましたが、誤解でした。

 

・量子はこの赤枠で囲まれたモノです。原子より小さいものが量子と定義されているようです。自然界に存在する量子を使ったモノを量子コンピュータと呼ぶわけでわないです。

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https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/ryoushi/detail/1316005.htm

・量子の特性(重ね合わせ、もつれ)を持つ”量子ビット”を表現できるモノを搭載したコンピュータが、量子コンピュータとなります。

 

コラム:量子ビット・量子ゲート操作を物理的にどう実現するか
実際の量子コンピュータを構成する量子ビットはいったいどのように作られ、量子ゲート操作はどのように実行されているのだろうか。

量子ビットを実現する方法は1995年頃から複数の有望な方式(物理系)が提案されており、超伝導回路方式・イオントラップ方式・光方式などがある。各方式によって、現在実現できている量子ビット数や量子ビットの寿命(コヒーレンス時間)、エラー率等に違いがあり、世界各国で研究が盛んに進められている。

数々の量子ビット実現方式の中で、最も広く知られている方式は超伝導回路を用いた超伝導量子ビットである。

https://dojo.qulacs.org/ja/latest/notebooks/0_prologue.html

 

 

・超すごいことができそうな期待は、以下のようなリリースからですが、いまは、実用化の段階ではないです。

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量子コンピュータの概説と動向
~量子コンピューティング時代を見据えて~

https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/column/opinion/pdf/11942.pdf

 

実際はこのような感じです。

2019年は歴史的な年になった。量子コンピュータが古典コンピュータの計算速度を超える「量子超越」を達成したとする論文が10月、米Google社(グーグル)から発表された。スーパーコンピュータでは1万年かかる計算が、グーグルの53量子ビットのマシンなら200秒で済むことを実証した、という内容だ。
2つのコンピュータが競い合ったのは、量子コンピュータの回路を用いてランダムなビット列を出力する作業を、スパコンでシミュレーションするという、量子の「ホームグラウンド」での戦い。実用上無意味な計算に勝利したに過ぎない。グーグルのライバルであるIBMは直後に「スパコンでも2.5日で終えられる」と反論した。

https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2020/specialite_002_1

 

 

・実用段階ではないと書きましたが、量子コンピュータには、汎用型の量子ゲート方式と特化型の量子アニーリング方式があり、後者の方は実用段階まできています。

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https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/column/opinion/pdf/11942.pdf

 

・なぜ、特化型は実用段階まで進んでいるかというと、多少間違っても良い計算だから。

―― D-Wave社が「D-Wave 2000Q」を販売するなど、量子アニーリングマシンの開発が先に進んでいるように感じます。これはどうしてでしょう?

中村氏:量子コンピューターの、同時にたくさんの計算ができるという特長はいいのですが、残念ながら量子重ね合わせ状態は、外部からのノイズなどですぐに消えています。これが量子コンピューターの開発がなかなか進まない原因のひとつです。ところが量子アニーリング方式の方は、少し“妥協”がきくんですよ(笑)。

―― 妥協?

中村氏:暗号を解くなど、全ての条件を完全に満たす解を求めるときに使われる量子ゲート方式では、解を得るまで量子重ね合わせ状態を保たないといけません。そのため量子重ね合わせ状態の時間を長くする必要があります。

ところが量子アニーリング方式の場合は、ある程度まで量子重ね合わせ状態で解いて、残りは従来のコンピューターで解くという合わせ技が使えるんですね。なぜかというと、最適解ではなくとも、近似解でも許されるからです。たとえば、先ほどのテレビを船に積むような場合、もしかしたらあと50台積めたかもしれないけれど、そこそこ良い数を積むことができれば、十分に利益が出ることは多々あるからです。

また、たとえば、開発に数千万円ぐらいですむ量子アニーリング方式のコンピューターだと残りの50台の積み残しが出るかもしれない。しかし開発に1兆円かかる量子ゲート方式の量子コンピューターがあれば残りの50台をきちんと積める。でも、比べてみて、50台積み残しても十分利益が出るとなれば、数千万円の方式を使って、積み残しが出ても経済的にはいいわけですね

手が届く”夢”のコンピューター「量子アニーリングマシン」とは

https://media.dglab.com/2018/04/16-quantum_compute-01/

 

 

・今後の展望としては、特化型は微妙。汎用型は、技術開発が進む。ただ、当分先。

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